パパ死んじゃった 42 [書き物]
そういう事で、今日はポチと一緒に仕事をする事にして街中を走りだした。
ただ竹井の中に一抹の不安があった、自分一人でもけっこう同類(幽霊)のトラブルに巻き込まれるのに、ポチもいるとなると余計に多くなるのではないかと・・・・・・・
竹井はこんな事考えていたが、ポチが家に来てから竹井が仕事に出る時はいつも一緒にいたのだけれど、今日は妙に意識している様だ。
「おいっ、右に曲がれ!」 ポチが突然、竹井に指示した。
「えーっ、何でさ?」 竹井も当然聞き返す。
「古狐が暴れだすから早く行け!」
ポチが竹井をせかす、そんな時、歩道で手が上がった。
竹井はポチの言う事を無視する様に、反射的に車を左に寄せ止まった。
「バカっ、乗せるな!!」 ポチは叫んだが遅かった。
一人の若い女性が乗って来た。
「どちらまでですか?」 竹井はいつもの様に行き先を聞いた。
「真っ直ぐ行って」 ぶっきら棒に女性は、進行方向だけ指示した。
「ハイッ、かしこまりました」 竹井は車を発進させたが、一人(?)納得していない。
「オイッ、揉め事起こす前に降りろ!」 当然、怒鳴ったのはポチだが、女性は平然としている。普通の人には、見えもしなければ、聞こえもしない、当たり前の態度である。
竹井がポチに話しかける時は、普通に喋るので、今、話かければ〝変な人″である。女性も平然としていたので、とりあえず車を走らせた。
「そこ、左つきあたりで止めて」 女性客が指示してきた、ポチの様子がおかしいので、竹井がも早く降りてほしいと思っていたところだったから、内心「ほっ」とした。言われた所まで来て、車を止めた。
その時、竹井はポチが怒鳴っていた意味がなんとなく解って来た、何故か?
竹井自身、毎日仕事をしていても分からなかった程、古く寂れた小さなお稲荷さんが、そこにあった。
43につづく・・・・
パパ死んじゃった 41 [書き物]
「おい、あそこに黒い帯、見えるか?見えるなら切れ!」
ポチが竹井に問いかけた。
竹井はのん気に
「おっ、今日は見えますね。あれ、切るの?」
「竹井さん、とっとと切っちゃって!」
陽子も急かす。
どうやら少々急いでいる様なので、竹井もさっさと刀を抜いた。
…で、
「はい、ありがと。他は見えないでしょ。」
陽子は全てお見通しのようだ。
「なぁ、お前の刀、便利だな。オレにくれ。オレならお前みたいに“何切るの?”なんて聞かなくて済むぞ。」
ポチにまで言われている。
さすがに竹井もムッとして、言い返した。
「お前に振れるのか?オレみたいに達人じゃないとダメなの。」
とはいえ、自分と同類なのだから、そろそろ見えても良いと
思うのだが、まだ見えないらしい。
陽子は相談者に、後日また来る事を約束して家を後にした。
車を運転しながら、竹井は自分が死んでからそれまでと違い
随分と個性的な仲間が増えてきたなと思い、
また嬉しくもあった。
陽子をおろし、ポチと2人で家へ向かった。
「このまま仕事してりゃいいんじゃないのか?」
竹井は、何言ってんだという表情でポチを見て、
「犬乗せて仕事出来ないでしょ。」
ポチは呆れて、
「今までだって乗ってただろう。他人から見えなくなることぐらいどうってことないだろう。」
竹井はそう言われて思った。
自分も最初はポチが見えなかったんだって…。
42につづく
パパ死んじゃった 40 [書き物]
「先生から相談者の家へ向かうんですか。でも、ポチも連れて来いって…」
最近、陽子の事をミチコが“先生”と呼ぶので
竹井もそう呼ぶようになっていた。
「竹井さん、相談者の家へ着いたら、ポチ君借りていい?」
陽子の話によると、家にからむ事とかで、
一番長生き(?)しているポチの知恵が欲しいそうだ。
竹井はといえば、若すぎるのはもちろんだが、
まるで知識がないのだから用無しである。
竹井はチョッとつまらなそうである。
相談者の家に着き、陽子は、
「終わったら電話するから、宜しく。」
こう言ってポチを連れて、さっさと行ってしまった。
1人になった竹井は、自分も何か感じるかな?と、
相談者の家の辺りをうろうろしてみたが、
結局何も感じることなく戻って来た。
分かり切ったことである。
その後、竹井は仕事に戻っていたのだが、2人が気になって仕方ない。
今まではさほど霊とかには興味も無かったが、
いくつもの出来事に会ううちに、関心が湧いて来たのかもしれない。
ちなみに、自分が幽霊だということ、ポチも化け物だということは
普段はほぼ頭から消えている。
2時間ほど経ったか、陽子から電話が来た。
「あっ、竹井さん、チョット来て。」
迎えに来いという口調ではない。
まぁ、あの2人がいるのだから、めったな事はないと思っているが
気になっていた時に電話が鳴ったので、まっしぐらに向かった。
<ピンポーン>
陽子の相談者の家のチャイムを押した。
陽子は玄関へ行こうとする。
家人を止め、自ら竹井を出迎えた。
当然である。相談者に竹井は見えないのだから。
これから起こる事も、陽子1人でやっていると思っていることだろう。
ただ、陽子が時折、
「ポチ君、竹井さん。」
と、声を出して呼ぶので、多少不思議には思っていると思うが。
41につづく
パパ死んじゃった 39 [書き物]
「パパーッ、何でポチは尻尾がいっぱいあるの?」
息子は問いがあるとよく竹井に聞く。
竹井にとっては面倒くさい時もあるのだが、
可愛い息子にはそんなそぶりを見せないように
出来るだけ丁寧に答えるようにしている。
ただし、竹井自身が分からない時は
「自分で調べなさい。」 と言って、ごまかす。
で、今回は
「ポチはね、パパやママやじいさんやばあさんよりずっと年上なの。普通は人より早く死んじゃうんだけど、ポチは長生きなのね。そうすると尻尾が増えてきて、超能力が使えるの。」
「どうして尻尾が増えたら、超能力が使えるの?」
「どうして…昔から尻尾って人間以外には大事なものなんだ。そして特別な者だけ、尻尾が増えるんだ。」
「どうしたら尻尾が増える人(?)になるの?」
ここいらが竹井の限界である。
それで、
「そうだ、ポチに聞いてごらん!」 …竹井は逃げた。
「ポチッ!!お前、どうしたら尻尾増えるの?」
「知らん。」 ポチは一言だ。
息子とポチの会話の多くはこんな感じだが、ポチも楽しそうだ。
ポチにとっても竹井の息子は可愛いようだ。
竹井が死んでから、2年が過ぎた。
法事も無事に済み、竹井の家族は逆に増えた。
表立っては言えないが、死ぬ前より賑やかになっている。
竹井が死ぬまでさほど付き合いの無かったミチコもよく顔を出し、
法事など慣れないチヨの手伝いをしてくれる。
竹井も生きてる時より、人づきあいが密になっている。
竹井本人も、生きていた時には無かった事だと実感している。
今日は久しぶりに陽子からの電話で、お迎えだ。
陽子は
「ポチ君も一緒にね。」
と言って電話を切った。
でも今日は、一般の相談者と聞いているのに。
大体、念を押さなくてもポチは付いてくるのだが、
何かポチに用があるのかと思いつつ、現場へ向かった。
40につづく
パパ死んじゃった 38 [書き物]
「ポチーッ!!」
息子の声が甲高く響いた。
“ポチ”こと狼は、竹井家の一員になって辛いことが一つあった。
現実に生きているペットもそうだと思うが、
当然のごとく子供が最大の障害となる。
ポチの場合、さすがに息子が5年生なので暴力の対象とは
ならないが、話が通じるだけに命令ばかりされ、
言うことを聞かなければ、先ほどのような声が飛ぶ。
ポチにしてみれば、自分よりうんと若い人間に命令されるのは
たまらない屈辱である。
ポチは家のなかでは、実体化して過ごしている。
長い年月で尻尾が増え、早い話妖怪である。
まぁ、フィクションなのだから、この程度のご都合主義を通さないと
話が進まない。
よって、当初見ることが出来なかった妻にも見えるのである。
犬のりり子さんは、マコ君同様最初から見えていたようだ。
初めのうちは警戒していたが、今では慣れた様子だ。
「ポチ、野球するよ。」
言い切っている!
「マコ、オレも打ってみたい。」
要求は出来るようだ。
ポチも慣れてきて、だいぶ世俗的な言葉になってきた。
「いいよ。」
マコがポチの要求に応えた。
この返事の通りならいいが、子供のことであるから…。
深夜、竹井家の“人間”と“犬”は全員寝ている。
残った“幽霊”と“妖怪”は、話をしていた。
「ポチ、お前この家に居て居心地はどうなの?お前が何処に住んでいたのか知らないけど、戻りたいとか思わないの?」
ポチが竹井家に来てから一か月が過ぎようとしていたが、
こんなこと竹井は初めて聞いた。
ポチはゆっくりと口を開いた。
「ここがいい。お前と共にいる。神の命令ではない。ここに居ると心が安らかになる。お前はわしがここに居ても良いと思うか?」
竹井はポチの話に一言だけ言った。
それを聞いたポチも嬉しそうに目をつぶった。
「家族だよ…。」
39につづく
パパ死んじゃった 37 [書き物]
「彼はあなたと暮らしてもいいそうよ。そろそろ降りてあげたら?いつでもそばをついて歩いていればいいでしょ。」
陽子の声掛けに、狼は竹井に向って話した。
「居てもよいのか?」
まだ姿は見えないが、声は聞こえる。
竹井は、
「いいよ。ただ、名前が無いのは困るな。うちの犬“りり子”っていうんだけど、あんた“ポチ”ってどう?」
竹井は何も考えていないようである。
狼はといえば現世における常識なんてないから、
「わかった。ただ、わしは狼だ。犬ではない。」
「でも、神様は“犬コロ”って言ってたよ。」
すっぱり言い返した。
神様が言っていたとなると、狼の方もいったん引き気味になるが
「お主は神ではない。だから、わしは狼だ。」
訳の分からない理屈だが、竹井はそんな事どうでもいいので、
「わかったよ。あんたは狼。それにしても早く見えるようにならないかなぁ。」
相変わらず平和なもんである。
とりあえず事が済んだので、竹井は仕事に戻ることになった。
車に乗り込んだ竹井はいきなり怒鳴った。
「ポチーッ!!どこ座ってんだ!!」
狼は後部の広い所を独占していた。
「そこはお客さん。とにかく前に乗れよ。」
狼もいきなり怒鳴られ、竹井の勢いに押され、素直に移動した。
どうやら少し見えてきたみたいである。
38につづく
パパ死んじゃった 36
竹井には初めて見る光景だった。
重厚な雰囲気の仏壇が祀られた立派な祭壇があり、
その前で陽子が座っている。
脇でミチコが助手を務めている。
いよいよ、竹井にとりつている狼との交信をするという。
竹井は神様の言った通り、自分には見えると言い聞かせたり
見ようと意識はしてみるが、まだ見えてこない。
「……そうか、そなたは狼であったか…。もうこの地に仲間や家族はおらぬとな…。」
いつもとは全く違う口調で陽子は話している。
そこに、聞いたこともない声が響き始めた。
「…何故、わしを祓わん……。何故わしと話をしようとする。」
陽子は静かに目を開き、口調も柔らかく、
「お主には邪気が無い。しかも、お主がとりついている相手は神の僕。それを分かってとりついたのであろう。」
竹井は黙って聞いていて、いつ神の僕になったのかな?と
思いながらも、このやり取りに興味をそそられていった。
陽子は続けて、
「こちらからも尋ねよう。何故恨まぬ?何故ねたまぬ?」
狼といった日本の狼は、人との共存が出来ずに絶えたと聞いていた。
人を恨んでも不思議ではないのに、竹井は狼の心を探っていた。
「わしらが滅ぶのは運命。人と争えば残るものもおったかもしれぬが、だが、いずれ滅んだであろう。」
そんなに簡単に受け入れられるのだろうか?
竹井は余計に分からなくなってきた。
狼は話を続けた。
「恨んでいた。恨みを持ち、死に集い、われになり人を根絶やしにしようと思っていた。…少し前までは…。」
すると陽子は立ち上がり、辺りを片付け始めた。
ミチコも笑顔で手伝っている。
二人の雰囲気も、タクシーで連れている時と同じようだ。
さっきまでの緊張感は無い。
陽子はいったん手を休めて、
「あなた、神様に支持されたでしょう。この人のそばに居ろって。その時に悟らされたのよ。」
狼に向かって言いきった。ミチコもうなづいている。
「あなた、その人にくっついていて、どういう気分?割と気分がいいんじゃない。すっかり浄化されているのかもね。」
陽子は全て理解出来ているようで、リラックスしている。
竹井の方もそろそろ自分の体からはがしてもらいたそうである。
37につづく
パパ死んじゃった 35 [書き物]
「神様、神様、ボクに何か幽霊がとりついているらしいけどなんとかしてよ!!カーミサマ、カミサマー!!」
「何度も呼ばんでもよい。ずっと見ておったわい。」
神様の声は陽子とミチコには聞こえない。
「どうしたらいいの?」
神様は落ち着いた口調で答えた。
「そこの御婦人方がまだやっておらんことがあるぞ。
その犬コロ、尻尾が割れておると言っておったろう。話しかけてみたか?人の言葉は分かるはずだぞ。」
竹井はもう一つ
「神様、オレ、全然見えないんだけど、飼えって言われたって実感ないし。」
神様は苦笑しながら、
「お前、幽霊だよ。お前が思い込みで見ようとしていないだけ。多少時間はかかるが見えるようになるよ。」
確かに竹井は自分が幽霊でありながら、見えないと
決めつけていたきらいがある。
この世に戻してもらって以来、竹井は神様の言うことを割と
素直に聞くようになった。で、この件にしても
“そんなもんかな”などと思っていた。
竹井は神様との会話中、黙って様子を見守っていた二人に、
神様の言ったことを伝えた。
「神様は、正体判っているのかしら?」
陽子は、神様が竹井にとりついている物が
心配しらないと悟って云ったのである。
そりゃそうだ。大変な相手なら黙って見ている訳にはいかない
だろうから、話かけろということは大した問題ではないのか。
「見えるようになるって言われても、すぐに見える訳じゃないから、チョット説得してみてよ。」
どう見ても、竹井の置かれているこの状況を楽しんでいる
二人に、竹井はせかす様に言った。
― 本格的に、狼との交流を開始した。
だが一般の相談者と違い、和んだ空気が漂う。
竹井はもう少し真面目にやってほしいと思いながらも
自分ではどうにもならないので、黙って従っていた。
36につづく
パパ死んじゃった 34 [書き物]
陽子は竹井をじっと見つめて、
「そんなに邪気は感じないけど、かなり強いわね。姿が元の形じゃないから。何かな…犬、狐…う~ん、尻尾いっぱいあるわね。九尾の狐?イメージ違うな。」
正体をつかみかねている陽子に、竹井は
「かなり大きいんですか?狼とか…。」
「あっ!」
陽子が珍しく大きな声を出した。
「そうか、ハスキーみたいだなって思ってたの。狼か、ありえる、ありえる。いなくなってから時間も経ってるし。でもどうして人懐っこいんだろう?」
陽子の疑問は、竹井にとってはさほど興味はなく
当初からの要求をした。
「じゃあ、ハガシテ下さい。」
「無 理!!」
陽子は胸の前で手をバッテンにして即答した。
無下に断られた竹井はムキになって
「無理って、専門家でしょ。飼ってもいいけど、へばりついてるのは困る。」
陽子はゆっくり説明した。
「あなたも幽霊でしょ。しかもくっついてる方は動物よ。話、通じないと思うし、問答無用に祓うとなれば、あなたにも影響でると思うし。」
何の知識もない竹井の思考はグルグル回りだした。
自分も幽霊だが、自分のことは何も判らない。
その時、玄関のベルが鳴った。
「こんにちは。」声が聞こえた。
「ミチコさん、みえたようね。」
陽子の平然とした口調に竹井は面食らっていたが、
「ミッちゃん、何でここに来るの?仕事は?」
ミチコは平然と、
「今日は熱が出たから休んだ。」
陽子から、竹井に起きた話を聞きつけ、急遽押しかけて
来たに違いない。
「アラッ、本当に大きい。そんなにでっかいの、あんた判らないの?」
ミチコの発言に少々ムッとした竹井は
「熱出てる人が、どうしてそんなに元気にまくし立てられる訳?」
ミチコはそんな竹井の抗議には一切耳を貸さず、
陽子と何やら相談している。
「タケシ、あんた神様と話した?」
ミチコが竹井に聞いてきた。
そういえば、以前は困ったときは度々聞いていたが、
最近は特になかったのですっかり忘れていた。
忘れっぽい竹井が思いつかないのも無理はないか。
35につづく
パパ死んじゃった 33 [書き物]
翌日、目が覚めて(前にも書いたが、この幽霊よく眠るのである)
陽子に電話を入れた。あいにく留守だったので、
幽霊の利点(?)を活かし、おどろおどろしい雰囲気で録音しておいた。
しばらくして、竹井の電話が鳴った。
「もしもし、本物の幽霊なんだから、もう少し怖く出来なかったの?生きてる人間だってもう少しマシよ。」
留守電のイタズラの件である。
竹井は頭をかきながら、昨夜の息子が言っていた事を伝えた。
「あっ、本当だ。イヤだ、あなた幽霊が幽霊にとりつかれてどうするの。
それより、あなたの息子さん、結構すごいかも。」
自分のことはバカにされてる様だったが、息子のことを褒められて
気分が良くなってしまった。親バカな竹井である。
とりあえず、自分に何がとりついているのか分からないので
陽子に尋ねた。
「息子さんが言っていた通り、動物っぽいわね。でもはっきりさせたいから家にいらっしゃい。あなたは無料で見てあげるから。」
竹井は何かすごく自分を見透かされている気がした。
「それじゃ、仕事に出たら伺います。」
「うん、そうして。待ってるから。」
陽子も竹井ネタは楽しそうだ。
今日は昼から仕事に出た。途中二回手が上がった。
滑り出し順調というところか。
―陽子は竹井を見るなり、
「いやー、随分大きいね。すごくあなたを慕ってるよ。飼ってあげたら?」
竹井は、まだ正体すら判らないのに、飼ってやれって言われて
少々慌てた。
「飼うっていたって、幽霊じゃあないですか。しかもボクにへばりついてるんでしょ。りり子だってそんな事しないですよ。」
陽子は白い目で、
「あなたも幽霊じゃない。同じ立場よ。あなたの奥さんなんて立派よ。普通の人なのに幽霊飼ってんだから。」
『その幽霊って、オレのことか』
竹井は思ったが、陽子の言うことももっともだと思ってしまう。
素直な性格である。
「これ、正体何なんですか?それに飼うっていってもボク見えないし…。」
そう言って自分の胸を指した。
34につづく







